歯をすべて失ったあとの選択肢

歯をすべて失った場合の治療の選択肢として、「総入れ歯」もしくは「インプラント」があります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、ご自身のもっとも適した治療法を選択することが望ましいです。もしも、どちらにするかお悩みの方は、一度大分県の歯科医院に聞いてみると良いでしょう。それぞれの特徴、メリットとデメリットをご説明いたします。

総入れ歯の場合

総入れ歯は、保険治療でおこなう場合と、保険適用外治療でおこなう場合があり、ご自身の希望で選択することも可能ですが、歯茎や顎の骨の状態によってはご希望に添えない場合があります。

保険治療の総入れ歯のメリット

保険治療の総入れ歯は適用範囲が広く、総入れ歯での治療を希望されるほとんど全ての患者さんが使用することができます。保険治療の総入れ歯に使用できる素材は、レジン(プラスチック)だけですが、費用が安いので経済的負担が少なくて済み、もしも入れ歯が破損しても修理が容易におこなうことが可能です。

保険治療の総入れ歯のデメリット

保険治療の総入れ歯は、素材がプラスチックであるため、毎日の洗浄を怠ってしまうと臭いや汚れが付きやすくなってしまいますし、長期間使用することによって変色や擦り減りが起こってしまいます。また、入れ歯に金属を使用できないので、入れ歯の強度を確保するために、ある程度の厚みが必要となってしまいます。そのため、口内の違和感を感じやすくなってしまい、使用に支障を起こすこともあります。もしも、歯茎が痩せてしまい入れ歯が合わなくなったり、唾液が少ないため入れ歯が吸着しないなど、吸着面で入れ歯に何らかの不具合がある場合は、食事の時に入れ歯が落ちたり外れたりしないように気を付けながら使用しないといけません。

さらに総入れ歯は、入れ歯の床の部分を粘膜にピッタリと吸着させることで、きちんと噛めるように作られていますが、使用していくうちに骨が痩せてしまうことで徐々に入れ歯が合わなくなっていき、使いづらくなってくることがあります。そのため、定期的な調整や作り替えなどが必要になります。他にも、何らかの事情で入れ歯を作り替えたくても、6ヵ月間は保険治療での新義歯製作は認められていません。

保険適用外治療の総入れ歯のメリット

保険適用外治療で総入れ歯を作る場合は、使用する素材や使う技術の制限がなくなるので、機能や見た目、使用感や耐久性を重視した入れ歯の作製が可能になります。また、入れ歯は、患者さん一人ひとりの要望を取り入れて作製することができます。

保険適用外治療の総入れ歯のデメリット

保険適用外治療で総入れ歯を作製する場合、患者さんの要望を取り入れて製作することが可能ですが、中には希望するタイプの総入れ歯が装着できない場合もあります。また、入れ歯の作製にかかる費用は全額自己負担のため、高額になってしまいます。さらに、入れ歯の一部をチタンや金、ニッケルクロム、コバルトクロムなどの金属で作り、強度や耐久性などの使用感を上げることで、メンテナンスをしやすくする場合があります。しかし、患者さんに金属アレルギーがある場合は使用できませんし、金属部分が破損すると修理が困難になってしまいます。

インプラントの場合

インプラントは、顎の骨にインプラント体を埋入し、インプラント体と骨がしっかりと結合することで、天然と歯とほとんど変わらない噛み心地と見た目を取り戻すことができる治療法です。

しかし、歯をすべて失った場合、従来のインプラント治療では歯の機能の回復のために、最低でも10本のインプラント体の埋入が必要なとなることから、患者さんの身体的・経済的負担は大きくなってしまいます。歯をすべて失っている場合、顎の骨が痩せていることが多く、骨量が少ない場合は骨移植や骨造成の処置が事前に必要なため、さらに負担がかかってしまっていました。ですが、治療技術の発展により、歯をすべての失った場合に顎の骨に4本のインプラント体を埋入することで、最大12本の人工歯を支えることが可能になりました。この方法を「オールオン4」といいます。

オールオン4のメリット

オールオン4とは、顎の骨に4本のインプラント体を埋入することで、最大12本の人工歯を支えることが可能で、通常のインプラント体の埋入よりも傾斜角をつけて埋入するので、顎の骨量が少ない箇所や上顎洞や下顎神経などの傷つけたくない部位を避けてインプラント体の埋入ができます。また、インプラント体の埋入手術のその日に仮歯の装着までもおこなうため、その日から食事をすることも可能です。さらに、必要最小限のコンパクトな装置となっているため粘膜や唾液腺を圧迫することがなく、違和感もほとんど感じませんし、インプラント体を顎の骨に埋入しているため、脱落したりずれたりすることもありません。

オールオン4のデメリット

オールオン4は、インプラント体を埋入する外科手術が必要になるため、手術による身体的負担がかかってしまいます。また、骨粗鬆症や重度の糖尿病などの全身疾患の方は、場合によっては手術がおこなえないことがあります。さらに、保険適用外治療(自由診療)となるため、総入れ歯よりも費用が高額になってしまいます。他にも、医師の高度な技術や、専門的な設備を必要とするため、治療を受けられる医院が限られてしまいます。

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