インプラントの初歩

さん、インプラント治療についてどこまでをご存じでしょうか?
今ではいろいろなメディア、報道でも耳目にすることが増えたので、大分県にお住まいの方でも、なんらかの知識をお待ちの方もいるかも知れません。
「一回手術をしたらもう、ずっと噛むことができる」
「顎の骨に直接埋め込むので、骨が薄い人には向かない」
「タバコを吸っている人は、インプラントができない」
「入れ歯と違って、食べ物を食べる感覚が変わらない」
「お金儲けのために、インプラント手術を勧める歯科医がいる」

いろいろな意見、報道、偏見などがあると思います。
このホームページでは、そういったさまざまな情報に惑わされない、インプラントの「本当」を別府の皆さんにお伝えすることを目的に作りました。

インプラント治療は万能ではありせん。
この施術が向かない体質、病気の人がいることも本当です。

しかし、条件に見合った方にこの治療を施すことができれば
インプラントは、過言ではなく「もう一度大きな口笑える」人生を取り戻すことができるのです。

ぜひこのホームページを見て、「インプラント治療」について知ってもらえると幸いです。

インプラントとは

まず「インプラント」について、辞典で調べると以下のようなことが書かれています。

《移植の意》臓器が疾病や外傷によって機能を喪失したり欠損した場合、その機能を回復するため生体内に埋め込む器具や材料のこと。特に、顎骨(がっこつ)内に人工歯を埋め込むこと。また、その歯。インプラントちりょう【インプラント治療】 歯の抜けた顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を固定する治療方式。
(出典:デジタル大辞泉)

現在、日本で「インプラント」と言った場合、多くは「歯科インプラント」のことを指します。辞書の説明では歯以外の臓器などのことも言及していますが、このホームページでは「デンタルインプラント」についてのみ、説明していきます。

歯が抜けてしまった部分にチタン製の歯根を埋め込み、人工歯の支えとするのがインプラント(人工歯根)治療です。ちなみに、この埋め込むチタン製の土台のことを『インプラント体』と呼びます。ネジのようにスクリューが切られており、この部分を顎の骨に埋め込みます。
一度埋め込んでしまえば、入れ歯のように取り外したりはできません。また、骨が人工歯を支えているので、入れ歯のように痛くて噛めないということはありません。
入れ歯の痛みは、入れ歯自体を歯肉が支えているから起きる痛みです。痛覚のない骨に支えてもらうことで、固いものを食べることが容易になるのです。

インプラントの歴史

歯を失ったことを補う努力を、人類は太古から続けてきました。その歴史を紐解くと紀元3世紀までさかのぼることができます。ヨーロッパにおいて人骨の上顎に鉄製のインプラントが施されたものが見つかっています。
紀元3世紀といえば、日本はまだ卑弥呼が治めていた邪馬台国の時代です。中国だと劉備と関羽、張飛らが活躍する三国志の時代ですから、これはそうとう歴史があるといって差しつかえないでしょう。

埋め込む材質に関しても、人類はさまざまなものを使い、相性のいい素材を探して試行錯誤してきました。中南米で発見された人骨の下顎に貝で作られたインプラントが埋まっているものが発見されています。これは紀元7世紀頃のものと言われています。
その後、金やアルミニウムのような金属、サファイヤやエメラルドのような鉱石を使った治療が行なわれていましたが、残念ながらどれも長期的に噛むことができるものではありませんでした。

現在、インプラントの素材にはチタンが使われています。
チタンが選ばれたのは、まったく異なる実験からの偶然だったのです。
スウェーデンの学者、ペル・イングヴァール・ブローネマルク教授(1929年~2014年)は微細血流の研究を行なうため、チタン製器具をウサギの骨に埋め込んで実験を行なっていました。この研究が終わったため、ウサギに埋め込んだ器具を外そうとしたところ、チタンと骨と結合しており、容易に取り外すことができませんでした。この点に着目したブローネマルク教授は、この現象について研究を続け、生活を営む骨とチタンの結合状態のことを『オッセオインテグレーション(Osseointegration)』と命名しました。そして基礎研究を進めていく中で、チタンは人体に対して有害な作用を及ぼしにくい特長があることも確認しました。

その後多くの研究を経て、1965年にスクリュー型のチタン製インプラント体を用いた人間への臨床応用が開始されます。インプラント治療は、オッセオインテグレーションのおかげで成功率を飛躍的に向上していきます。そして1980年ごろにはその評価が世界的に広まりました。それ以降、失った歯を補う方法のひとつとして、インプラント治療は世界中の歯科治療に取り入れられてきたのです。

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